青を追いかけて

次駅のアナウンスを聞き、
電車を降りた。

ショッピングモールを横目に見ながら、
連絡通路を渡る。

外に出た瞬間、
潮風が頬をかすめた。

海に続く連絡通路。空はまだ鈍色だ。

朝のニュースは晴れを伝えていたが、
空は曇天だ。

灰色の雲が、
折り重なるように立ち込めている。

小樽の海。空には鈍色の雲が低く広がっている。

道には、
散歩をする人がちらほら。

海には、
停泊する船と、のんびり羽を休める海鳥。

海岸線の遊歩道を歩く。

広い海に1羽、海鳥が浮かんでいる。

しばらく経ち、
ふと、空が明るくなってきたことに気付いた。

青空がぐんぐんと、顔を出す。

桟橋に停まる船と空。雲がだんだんと晴れ、青空が半分ほど顔を出してきた。

遠くに見える、山の稜線。

たなびき、消えゆく雲。

淡い青のグラデーション。

青く晴れた空と、遠くに見える山の稜線。空の青は淡く優しい。

朝の天気予報は、
“アタリ”だったみたいだ。

海の水面に映る太陽。光が眩しく揺れる。
海に伸びる桟橋。手すりは潮風で錆び付いている。

自然と足取りが軽くなる。

向こうに見える舟溜まりが
近づいてくる。

舟溜まりに停まるボート。雲は薄れ、だんだんと青空が広がる。

整然と並ぶ船、船、船。

小樽港の船溜まり。ボートが几帳面に並ぶ姿は、なんとも気持ちが良い。

水面は、
空を吸い込んだように青い。

浮かぶ船と海の水面。晴れるにつれ、海の青色が深くなってきた。
水面を覗き込む。青の色は深く、岸の護岸には海藻が揺れている。

深く息を吸い込む。

陽光と潮風が、胸いっぱいに広がる。

青空にたなびく雲と、たくさんの船。明るく日が差し込む。

気付くと、
太陽はとうに高く昇っていた。

街灯と太陽。日は街灯のさらに上に昇り、眩しく輝いている。

遠くからは、賑やかな工事音。

港の仕事が始まったようだ。

小樽築港沿いの遊歩道。街灯と海路樹が並ぶ。

汗ばむ額を拭い、
ジャンバーの胸元を開ける。

この青との別れが惜しい。

もう一枚。
ファインダーをのぞく。

築港に浮かぶ船と海の水面。エメラルドグリーンの水面は、目に鮮やかだ。

真っ青な空の只中で、
太陽は燦々と輝いている。

私は眩しさに目を細め、
最後の一枚を撮った。

小樽築港の全景。たくさんの船を、眩い太陽が照らしている。

(撮影地:北海道小樽市)

タイトルとURLをコピーしました