平日の夕暮れ、
街には存外多くの人々が行き交っていた。
一日を終え、帰る人。
これから一日が始まる人。
人の間を縫うように歩く。
街灯。看板。ショーウィンドウ。
明かりは
そこかしこに映り、広がる。
午後八時。
目抜き通りが閉店する。
現れる
静謐な空気。
まるで
見知らぬ街のよう。
と。
入れ替わるように
輝き出す。
夜が始まる。
眩しい。
光が強い。
待っていたのか。
夜の帳が下りる、
その時を。
夜が
街に満ちていく。
闇の海に
沈んでいく。
夜の底を歩く。
遠く聞こえる喧騒は
待ち侘びたその時を
惜しむかのようだった。
(撮影地:北海道札幌市)