路地裏の時間

フェリーを降りると、
賑わう観光客を横目に、裏路地に入った。

裏路地に続くトンネル。暗いトンネルの向こうに日差しの当たる民家が見える。

快晴だ。
陽射しが気持ち良い。

民家に挟まれた細い道に、日の光が降り注ぐ様子。

道を一本入ると、
あたりは途端に静かになる。

そこにあるのは、日常の時間。

住宅街の中にひっそりと立つ、雑貨屋兼食料品店。
軒を連ねる家々と路地に降りていく細い階段

道端に置かれた物の
佇まいに惹かれる。

道端に置かれた植木鉢たちが一筋の夕陽を浴びている。

樹上には、蜜柑みかん

まさに食べ頃の橙色だいだい いろ
思わず口が動く。

見上げる高さの木に、たわわに実るみかん

細い路地には、
颯爽さっそうと走り去る背中。

細い路地をバイクで走り去る、郵便屋さんの背中

しばらく歩いた頃、
不意に、にぎやかな声が耳に届いた。

みやげ屋が並ぶ通りに出たようだ。
遠くには、露店も出ている。

土産物屋が並ぶ道。奥には修学旅行生や観光客の姿が見える。

鼻先をくすぐる、
香ばしい匂い。

屋台を眺める、鹿と猫。

食べ物屋台の前でじっと見つめる鹿と、遠くから人々を眺める猫。

長く続く階段は、千畳閣へと。

鮮やかな青空に
息を呑む。

長く続く階段と千畳閣(豊国神社)。その上には、真っ青な空が広がる。

視界に広がる、瓦屋根の街並み。

食事に夢中な、鹿の背中。

千畳閣に続く階段の上からの眺め。昔ながらの瓦屋根が広がる。階段の中腹では、鹿が石垣に生える苔を一心に食べている。

千畳閣には、燦々と日が注ぐ。

千畳閣の中から、外を見遣る。眩しい日差しが差し込み、柱や手すりが影を伸ばしている。

爽やかな風が通り抜けている。

千畳閣の中の様子。壁がないため、爽やかな風が吹き通っている。

風の来る方を見遣ると、

そこに広がるのは
海。
対岸の街。
重なり合う山の稜線。

千畳閣の廊下の角からの風景。一面の海が広がり、遠くには対岸が見える。

私はその景色に
しばし時を忘れる。

潮の香が、頬を撫でる。

(撮影地:広島県廿日市市宮島町)

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