ぶらぶらと竹原駅に向かう。
どんな街なんだろう…。
そんな好奇心に背中を押され、
中通りに入ってゆく。
地元北国と異なる家の造りは、
目に新しく、面白い。
住宅街の中には、
小さな商店街が点在している。
洋服屋さん、鮮魚店、本屋さん…。
そうだ。
こんな本屋さん、うちの近所にもあった。
買った本を包む、
あの紙袋の質感が最高に良いのだ。
ここにも、あるだろうか。
駅前に近づくにつれ、
商店街は大きく、長くなる。
連なる店々。
垣間見える生活。
通りすがる人の背に、
「どこに行くのかな…」と思いを馳せる。
「ここの主人、今ごろ何をしているんだろう…」
歩きつつ、想像は広がる。
駅に着くのが惜しい。
電車の時間を見つつも、足取りを少し遅める。
今度は勇気を出して、お店をのぞいてみようか。
どこがいいかな。
暖かくなったら、
また、きっと。
そう思った頃、
遠くから次発のアナウンスが届いた。
(撮影:広島県竹原市)