久しぶりに街に出た。
連日続いた雨が上がり、久々の快晴。
陽の光が恋しい。
急に思い立ち、電車に飛び乗った。
繁華街のある駅で降り、
気が向くままにぶらぶらと歩く。
普段は観光客の多い商店街だが、
昨今の事情で、ここのところお客はめっきり減っている。
今日は平日の午後ということもあり、さらに人はまばらであった。
太陽の位置が低い。そういえば、もうすぐ冬至だ。
傾いた陽の光が道のそこかしこに差し込み、
店々のガラスに眩しく反射している。
この商店街は、古い店と新しい店が混在している。
ここ数年再建の流れがあり、だいぶ店の入れ替わりがあったようだが、
とはいえ、老舗もまだ健在である。
独特のゆったりとした時間が流れていて、
ふとタイムスリップしたような心持ちになる。
そのうちの一軒の、お団子屋さんに入った。
2階の喫茶コーナーに入ると、奥には数名の先客。
各々、書類を広げていたり、コーヒーを啜っていたりしている。
注文は、と訊かれ、醤油と胡麻の串団子を2本ずつと、コーヒーを頼んだ。
店内の温かい空気に、凍えた体がじんわりと解けていく。
積雪はないとはいえ、もう12月である。
寒風で思いの外縮こまっていたのか、コーヒーが身に沁みる。
お団子もふんわり柔らかく、あっという間に食べてしまった。
会計を済ませ、また外に繰り出す。
だいぶ日が傾いてきた。空が橙に染まっている。
ぼんやりと歩きながら、
あぁ、今年も色々あったな、と思った。
なんだか、目まぐるしい年だった。
この先の見通しなんて、まるで持てなかったし、
自分がどこに向かおうとしているのかも、うまく言葉にできなかった。
ただ、腹の底にあるものを信じて、突き進んだ。そんな感じだった。
そして結局、まだわからないことだらけだ。
手探りはまだ続きそうである。
けれども、
西陽を浴びる人々を眺めていたら、
まぁ、なんとかなるか、という気がしてきた。
そっか。
そんなもんかもな。
まぁ、なんとか、なるか。
風が冷たくなってきた。
自販機でココアでも買おう。
何はともあれ、今年が終わる。
(撮影地:北海道札幌市)